夜に1杯飲んだ日だけ、なかなか寝つけない。そういうことが続くと、コーヒー1杯にどれだけカフェインが入っているのか知りたくなります。ところが調べると「100mlで60mg」と書いてあったり「1杯70mg」と書いてあったりして、どちらが自分のカップなのか分かりません。数字の出どころと、自分の1日の合計の出し方が分かれば、飲む時間と杯数を自分で決められるようになります。
ドリップコーヒー100mlで60mg

ドリップコーヒーのカフェイン量は、100mlあたり60mgが基本の数字です。農林水産省のページにも、日本食品標準成分表2020年版(八訂)の値としてこの数字が載っています。
この60mgは、コーヒー粉末10gを熱湯150mlで抽出したときの濃度です。同じページには、インスタントコーヒーは粉末2gを使った場合に1杯あたり80mgと書かれています。
あとは自分のカップの容量をかけるだけです。よく使われるサイズで並べると、こうなります。
| カップ | 容量 | カフェイン量 | 400mgまでの杯数 |
|---|---|---|---|
| コーヒーカップ | 150ml | 90mg | 4杯 |
| 紙コップ | 200ml | 120mg | 3杯 |
| 大きめのマグカップ | 300ml | 180mg | 2杯 |
マグカップで飲んでいる人は、2杯で360mgに届きます。「1日3〜4杯まで」という言い方だけを覚えていると、ここでずれます。

うちのマグ、たぶん300mlです。2杯でもう上限近いんですね。
玉露はコーヒーの倍以上のカフェイン
コーヒーを控えてお茶にする人は多いです。ただし玉露は100mlあたり160mgで、コーヒーの倍以上のカフェインが入っています。
農林水産省の表では、せん茶とほうじ茶とウーロン茶が100mlあたり20mg、紅茶が30mg、玄米茶が10mgです。玉露だけが飛び抜けています。
エナジードリンクも100mlあたり28〜300mgと開きがあります。1本あたりでは50〜170mgで、コーヒー約2杯分に相当するものもあると書かれています。
気をつけたいのは、成分表示の書き方です。多くの製品は100mlあたりの濃度で書いてあります。500mlのペットボトルなら、その数字を5倍しないと1本分になりません。
抹茶も、粉末を丸ごと飲む形になります。お湯70mlに粉末1.5gを溶かした場合で48mgです。お茶に替えたつもりでも、種類によっては減っていないことがあります。
1日400mgは国によって違う
よく見かける「1日400mgまで」は、日本が決めた数字ではありません。日本には明確な基準がなく、農林水産省は海外の基準を並べて紹介する形をとっています。
対象者によって数字が変わるところが大事です。妊娠中と授乳中は、どの国も成人より低い数字を出しています。
| 国・機関 | 対象者 | 上限・目安 |
|---|---|---|
| 世界保健機関 | 妊婦 | 300mg/日 |
| 米国 | 健康な大人 | 400mg/日 |
| 欧州・英国 | 妊婦・授乳婦 | 200mg/日 |
| カナダ | 18歳以上 | 400mg/日 |
| カナダ | 18歳未満 | 体重1kgあたり2.5mg/日 |
子どもの分は体重で決まります。体重30kgなら、カナダの基準で75mgです。コーヒーカップ1杯でほぼ届いてしまう量なので、覚えておきたいところです。
妊娠中の人については、食品安全委員会が「摂取量をゼロにする必要はないが、いつも以上に摂り過ぎに注意」と呼びかけています。体調や妊娠経過は人によって違うので、心配なときはかかりつけの医療機関に相談してください。
焙煎度で減るというのは半分だけ本当
「深煎りはカフェインが少ない」という話をよく聞きます。重さで量れば、浅煎りと深煎りの差はごくわずかです。
FUKUSUKE COFFEEのブログでは、この話を半分本当で半分は誤解と書いています。焙煎が進むと豆は水分が抜けて軽くなり、ひとまわり大きくふくらみます。スプーンで量ると深煎りのほうが豆の数が多くなるため、差が出たように見えるという説明です。
ネスレ日本のページでも、カフェインは熱に比較的安定していて、焙煎度合いによる変化はほとんどないと書かれています。焙煎度で選んでもカフェインは減りません。
減らしたいなら、豆の品種を見るほうが効きます。ロブスタ種はアラビカ種のおよそ2倍です。ロブスタ種はインスタントコーヒーや缶コーヒー、エスプレッソ用のブレンドによく使われています。
夜に眠れない人は4〜5時間前でやめる
杯数より先に見直したいのが時間です。カフェインの効き目は摂ってから30分ほどで最大になり、4〜5時間ほど続くとされています。
ソロフレッシュコーヒーシステムのページでは、寝る予定の4〜5時間前を最後の1杯にする飲み方が紹介されています。0時に寝るなら、19時か20時が区切りになります。
ただし持続時間には個人差があります。同じページによると、短い人で2時間、長い人だと8時間かかることもあります。肝臓でカフェインを分解する速さが人によって違うためです。
夜まで残る感じがある人は、午後の早い時間で切り上げてみてください。逆に、効き目を出したい場面では30分前が目安になります。大事な会議の30分前や、昼寝の直前に飲む方法が紹介されています。
カフェインには利尿作用もあります。コーヒーだけで水分をとろうとせず、水や麦茶をはさむようにしてください。

杯数を減らすより、飲む時間を前にずらすほうがラクですよ。
自分の1日の上限を計算してみる
ここまでの数字を、自分の飲み方に当てはめてみてください。やることは、カップの容量に0.6をかけて、1日の杯数分を足すだけです。
200mlの紙コップなら1杯120mg、それを3杯で360mgになります。缶コーヒーやエナジードリンクを飲んだ日は、その分も足します。
ステップ2 容量×0.6でカフェイン量を出す
ステップ3 1日の杯数をかけて合計を出す
ステップ4 400mg(妊娠中や授乳中は200〜300mg)と見比べる
合計が上限を超えていたら、1杯をカフェインレスに替えるところから始めるのがおすすめです。カフェインレスは90%以上カフェインを取り除いたもので、100mlあたり6mg以下まで下がります。
数字を出しておくと、次に眠れない夜が来たときに原因を切り分けられます。飲みすぎなのか、飲む時間が遅かったのか、そこが分かるだけで対応が変わります。

今日から夕方の1杯だけデカフェにしてみます。
砂原しんご多くの製品をレビューしてきたガジェットライター。資格勉強にiPad+互換ペンを愛用しています。販売店などからリサーチして最新の情報をお伝えするように努力しています。


