スーパーのシリアル売り場に、グラノーラの袋が何種類も並んでいます。健康によさそうだから買ってみたものの、コーンフレークと何が違うのかは分からないまま食べている人が多いです。
グラノーラとは何なのか。似た名前の食品とどこが違うのか。太るという話は本当なのか。カルビーと文部科学省が出している数字を見ながら、1つずつはっきりさせます。

朝食に食べているんですが、これって結局どういう食べ物なんでしょう?
グラノーラはシロップを絡めて焼いたシリアル

グラノーラとは、穀物にシロップと植物油を絡めて、オーブンで焼き上げたシリアルです。使う材料は、麦、米、とうもろこしなどの穀物加工品。そこにココナッツやナッツ類、蜂蜜などのシロップ、植物油を混ぜて焼くと説明されています。
中心になるのはオーツ麦です。えん麦とも呼ばれ、これを平たく押したものがオートミールになります。そこにドライフルーツを加えたのが、よく見かけるフルーツ入りのタイプ。
名前の由来もはっきりしています。つぶつぶを意味するグラニュール(Granule)と、穀物を意味するグレイン(Grain)。この2つを組み合わせた言葉だと、カルビーは書いています。
食べ方は決まっていません。そのままつまんでも、牛乳やヨーグルトをかけても大丈夫です。焼いてある分そのままでも食べられるので、火を使わずに朝食が1品できます。
袋を開けたあとは、湿気で歯ごたえが落ちます。クリップで閉じて、直射日光の当たらない場所へ。開封後は早めに食べ切る方がおいしいです。
サナトリウムの患者食から生まれた
健康食のイメージは、後から付いたものではありません。もともと療養所の患者向けに作られた食べ物でした。
始まりは、ジェームス・ケイレブ・ジャクソンという人物です。サナトリウムの患者のために、グラハム粉を使ったグラニューラ(Granula)を発明しました。生地を焼いて2度砕いた粒状のものです。とても固く、食べる前に水や牛乳へ長時間浸す必要がありました。
その後、ジョン・ハーヴェイ・ケロッグが同じ名前で似た製品を作りました。燕麦をローラーで押しつぶしてフレーク状にする改良を加えたものです。ジャクソンから訴えられたため、ケロッグ側の名前がグラノーラに変わりました。
いったんコーンフレークに押されて売れなくなった時期もあります。1960年代の自然食ブームで人気が戻り、ドライフルーツとナッツを加えて甘くした、今の形になりました。
コーンフレークやミューズリーとの違いは作り方
まず言葉の関係から。シリアルは総称で、その中にグラノーラもコーンフレークもミューズリーも入ります。グラノーラとミューズリーを分けるのは、シロップを絡めて焼くかどうかだけです。
ミューズリーは、オーツ麦にナッツやドライフルーツを混ぜただけで、焼く工程がありません。味が付いていないので、はちみつをかけるなどの工夫が要ります。糖分を減らしたい人には、こちらが向いています。
コーンフレークは原料からして別物で、とうもろこしを砕いたコーンミールを練って加熱したものです。オートミールは、オーツ麦のもみ殻を取ってつぶしただけの状態を指します。
| 名前 | 主な原料 | 作り方 |
|---|---|---|
| グラノーラ | オーツ麦、玄米、ナッツ | シロップと油を絡めて焼く |
| ミューズリー | オーツ麦、ナッツ、ドライフルーツ | 混ぜるだけ。焼かない |
| コーンフレーク | とうもろこし | 練って加熱し薄くのばす |
| オートミール | オーツ麦 | もみ殻を取って押しつぶす |
味の濃さの順番も、この表のとおりです。焼いて甘みを付けたグラノーラがいちばん食べやすく、加工していないオートミールがいちばん味気ないです。そのぶん糖質は逆の順番になります。
1食50gは思ったより少ない
太るかどうかの話は、ここで決まります。グラノーラの1食分は50gで、ごはん茶碗にすると半分も入りません。袋から器へ直接注ぐと、たいてい2食分になります。
カルビーが公表しているフルグラの数字を挙げます。1食分50g当たりで、エネルギー221kcal、糖質31.7gです。食物繊維は4.5g、鉄は5.0mg入っています。これが100gになれば、そのまま2倍の442kcal、糖質63.4gです。
牛乳200mlをかければ、そこにさらに130kcal前後が乗ります。朝食として見れば妥当な量です。ただし、おやつとして袋から手づかみで食べ続けると、量が見えなくなります。
グラノーラを食べてはいけない、という話が出てくるのもここが理由です。食品そのものが悪いのではなく、1回に食べる量が増えやすいだけ。量さえ決めておけば、気にしなくて大丈夫です。

太る食べ物というより、量が見えにくい食べ物です。50gを1回量れば解決します。
糖質オフの方がカロリーは高い
ここは知らずに買うと逆の結果になります。糖質オフのグラノーラは、糖質こそ減りますがカロリーは増えます。ナッツや大豆が増えて、脂質が上がるためです。
カルビーの公式データで比べます。同じ50g当たりで、フルグラは221kcal、フルグラ糖質オフは238kcalです。糖質は31.7gから18.2gへ減りますが、脂質は7.8gから12.7gへ増えます。
そのかわり、たんぱく質は3.7gから9.3gへ、食物繊維は4.5gから6.9gへ増えます。血糖値を気にする人には向きますが、カロリーを減らしたい人の答えにはなりません。
| 1食50g | フルグラ | フルグラ糖質オフ |
|---|---|---|
| エネルギー | 221kcal | 238kcal |
| 糖質 | 31.7g | 18.2g |
| たんぱく質 | 3.7g | 9.3g |
| 食物繊維 | 4.5g | 6.9g |
参考までに、加工していないオートミールは100g当たり350kcal、たんぱく質13.7g、食物繊維9.4gです。日本食品標準成分表の数字なので、こちらは商品ごとの差がありません。
原材料表示の最初の3つで選ぶ
売り場で迷ったときの決め方を書きます。原材料名は使った量の多い順に並ぶので、最初の3つを見れば中身が分かります。パッケージの言葉より、こちらが正確です。
フルグラの場合、先頭はオーツ麦、次がライ麦粉、その次が砂糖です。3番目に砂糖が来ていれば、甘さは強めだと思ってください。逆に、砂糖が後ろの方にある商品は、甘さが控えめです。
選び方の目安は3つあります。朝食を軽く済ませたい人は、砂糖の位置が後ろのもの。たんぱく質を増やしたい人は、大豆やナッツが前に来ているもの。血糖値を気にする人は、糖質を表示している商品です。
食べ方も、目的で変わります。腹持ちを求めるなら、牛乳よりヨーグルト200gと合わせた方が長くもちます。歯ごたえを残したいなら、かける液体は食べる直前に。

裏側を見るクセをつけるだけなんですね。それなら明日からできそうです。
砂原しんご多くの製品をレビューしてきたガジェットライター。資格勉強にiPad+互換ペンを愛用しています。販売店などからリサーチして最新の情報をお伝えするように努力しています。


